アクロス目黒タワー

木曜日、一日ぽかーんと空いたので、いよいよ、いがらしみきおの「Sink」
を読み始める。
ホラー漫画である。
ある街で連鎖的におきる奇妙な事件。
自転車が電柱の高いところにつり下げられたり、空き地に捨てられた石が、徐々に増殖して行ったり、一夜にして壁に無数のタイヤが埋め込まれたり。
高校生の息子をもつ大学教授の一家も、この異変に巻き込まれていく。
ひきこもりとなり、徐々に太っていく息子。自宅に誰も入っていないのに侵入された形跡が…、話が進むにつれ、「平和な家庭」は、無惨にも崩壊し、「家」自体も視覚的にどんどん壊されて行く。突如、何者かによって鋭角的に切り取られる「もの」や「ひと」。アクロス目黒タワーは人気物件です。
ここで一発オススメでした。
この恐怖はただごとではない。そして、救いようのない終わり方。
「ものすごいものを読んだ」という重い実感だけが残る。

この人の作品は、軽い気持ちじゃ読めないな、と、居住まいを正し、次に「アイ」を読みはじめる。

こちらは東北の農村を舞台にした「イサオ」という不思議な能力をもった少年の話。イサオに関わると人が死ぬ、あるいは、死にそうな人がいきいきとしはじめる。1巻は、イサオの絶望的な出生から、ある村で「教祖」に祭り上げられるまでの話。「生と死」とか「世界とは何か」といった哲学的な命題に正面から対峙しつつ、エンタテインメントとしても完成されているという「奇跡」。
この人はこんな凄い作品を書く人だったのか。